COSWORTH・・・。F1をはじめとするモータースポーツを観た方なら一度は聞いたことのある名前ではないでしょうか。
1958年にMike CostinとKeith Duckworthによって興されたコスワースは、1960年代後半から1970年代にF1で圧倒的な勝利数を誇った伝説の名機DFVエンジンを開発・製作したことでその地位を不動のものとしました。
さらに若き日のミハエル・シューマッハを一躍スターダムに押し上げたFord Zetecエンジンは、コスワースの輝かしい歴史の1ページです。
また、1980年代後半からグループAレースに参戦した「フォード・シエラRS500コスワース」は全世界のグループAレースで無敵を誇り、日本でもR32スカイラインGT-Rと激闘を繰り広げました。
現代のモータースポーツにおいて、量産車同様エレクトロニクスの占める重要度は高まる一方ですが、その点においてもコスワースは「Pi Research」「Pectel」といったデータロガー、エンジンコントロールユニットのトップブランドを傘下に収め、エンジン性能と制御技術の融合という点においても他メーカーにない優位性を築いています。
近年のモータースポーツではレースマネージメントも重要なファクターとなっており、最近のレーシングカーのステアリング上にはあらゆる情報が表示されるディスプレイと多数のスイッチ類が装備されています。ドライバーは瞬時に状況を判断し、スイッチを操作してすぐさま車両にフィードバックしていますが、このデザインスタイルを多くのシリーズに確立したのも彼らだったのです。
エンジンのみならずエレクトロニクスの分野においてもコスワースは、トップレベルのモータースポーツになくてはならない製品となっています。
F1、ツーリングカー、IndyCar、WRCと数々の栄光の歴史を打ち立てたコスワースは、現在、レース専用エンジンの開発はもちろんのこと、アストンマーチンを始めとするハイパフォーマンスな量産車のエンジン開発、そしてアフターマーケットのチューニングパーツの開発へと、膨大な技術とノウハウのフィードバックを多岐に活用し、その活躍のフィールドはさらに広がりを続けています。